iPSC Neurodegenaration Initiative

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リピート伸長病Repeat expansion diseases

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どんな疾患?

リピート伸⻑病は、特定のゲノム領域で遺伝⼦のリピート部分が
異常に多くなることによって引き起こされる⼀群の遺伝性疾患を指します。
これらの疾患では、遺伝⼦内の特定の配列が通常よりも多く繰り返され、
これが病態の原因となります。

主なリピート伸⻑病には、ハンチントン病、緊強直性ジストロフィー、
脆弱X関連振戦失調症候群、⼀部の脊髄⼩脳変性症などが含まれます。
これらの繰り返し数は疾患にごとに異なりますが、数回から数千回に及ぶこともあります。
現時点では30以上の疾患が発⾒されており、多くが脳神経疾患あるいは筋疾患です。

疾患の特徴

これらのリピート伸⻑病では、異常なリピートが遺伝⼦の正常な機能を妨げ、
これが細胞の機能障害や組織の異常を引き起こすと考えられています。
また疾患の臨床症状はリピートの数に依存することがあることや
世代を経ることにリピート数が多くなる場合があることが知られています。

研究状況

疾患の⽣じるメカニズムとしては、リピートRNAによる毒性、
リピート関 連⾮ATG依存性翻訳により産⽣されるペプチドの毒性、
エピジェネティックな影響による遺伝⼦発現の変化や
スプライシングの異常などが想定されています。

リピート伸⻑の⻑さ・挿⼊箇所など、
ヒトゲノム情報をそのまま反映するモデル作製のために、
iPS細胞の利⽤が進められています。

先天性の遺伝性⽩質疾患では、⽩質に存在するグリア細胞
(アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリア)の
障害が⽣じることが原因と考えられています。

細胞名 病名 採取時年齢 性別 体細胞 臨床情報
ALS60E1 神経核内封入体病 63 M fibroblast 詳細表示
NIHDS2E1 神経核内封入体病 73 M fibroblast 詳細表示
NIHDS3EL1 神経核内封入体病 69 F PBMC 詳細表示
NIHDS4EL1 神経核内封入体病 37 M PBMC 詳細表示
FX1EL3 脆弱X症候群 46 F PBMC 詳細表示
FX2EL16 脆弱X症候群 17 M PBMC 詳細表示
FX6EL1 脆弱X症候群 23 M PBMC 詳細表示
FX8EL1 脆弱X症候群 4 M PBMC 詳細表示
FXTAS1EL1 脆弱X関連振戦/失調症候群 82 M PBMC 詳細表示
FXTAS2EL1 脆弱X関連振戦/失調症候群 58 M PBMC 詳細表示
MyD1 ⑩/HPS1032 筋強直性筋ジストロフィー 30s M PBMC 詳細表示
MyD2 ②/HPS1051 筋強直性筋ジストロフィー 30s F PBMC 詳細表示
MyD5 ⑬/HPS1052 筋強直性筋ジストロフィー 30s M PBMC 詳細表示
MyD3 ⑦/HPS1033 筋強直性筋ジストロフィー 30s M PBMC 詳細表示
HD1E6 ハンチントン病 60s M fibroblast 詳細表示
SCD37EL2 脊髄小失調症31型 54 F PBMC 詳細表示
SCD4 E2 脊髄小失調症36型 64 M fibroblast 詳細表示
SCD10 9E/HPS0422 脊髄小失調症36型 60 M PBMC 詳細表示
SCD20 E1 脊髄小失調症36型 65 F PBMC 詳細表示
CANVAS1EL1 cerebellar ataxia with neuropathy and vestibular areflexia syndrome 68 M PBMC 詳細表示
EPI5EL3 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん 63 F PBMC 詳細表示
EPI18EL2 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん 43 M PBMC 詳細表示
EPI20EL2/HPS3911 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん 15 M PBMC 詳細表示
EPI21EL2/HPS3914 良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん 15 M PBMC 詳細表示

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